推薦書籍
磯崎哲也
定番ですが、資本政策は一度進めると巻き戻せないので、資金調達前に読んでおいた方が良い一冊です。事業計画や資本政策の作り方、企業価値の考え方、投資家との契約交渉、優先株式の仕組みまで、ベンチャーファイナンスのあらゆる側面がカバーされています。(荒木)
フレデリック・ケレスト
本書の前書きを担当しました。スタートアップを立ち上げてから上場するまでの経営課題は日々刻々と変化していきます。「家族ブロック」の防ぎ方から上場ロードショーまで、ありとあらゆる課題を実践者ならではの視点でリアルに描いています。 周囲の人々に反対されながらもやり遂げることの大切さなど、軽視されがちな精神論の重要性も強調されています。他の起業家や投資家のコメントも付記されており、そのような先達のコミュニティに入り込んでアドバイスをもらう大切さも改めて感じられます。(朝倉)
ジム・コリンズ,ビル・ラジアー,土方奈美
有名なシリーズ本ですが、本書は既存の会社ではなく、ゼロの段階から偉大な会社を作り上げるために気を付けるべきことを丁寧に説明しています。会社の原点となる考え方や方法論に焦点を当てており、実務的な内容となっています。(朝倉)
ピーター ティール,ブレイクマスターズ
あまりにも有名な本なので取り上げる必要もないものの、非常に良い本なので敢えて挙げました。「競争するな。独占しろ」「誰も知らない隠れた真実を探せ」というピーター・ティールの教えは、常識に逆行しているようで、実は経済原則に極めて忠実であると思います。(荒木)
ハミルトン・ヘルマー,リード・ヘイスティングス
スタートアップ関係者の間で日々語られる「MOAT」が何かについて説明した書籍。取り上げられる項目はありふれた「規模の経済」「スイッチングコスト」等であるものの、7種類にまとめられているのでフレームワークとして使い勝手が良い。競争の非対称性を活かした戦略を取るべき(所謂イノベーションのジレンマに近い)というのは逆張り的であり、またスタートアップらしくて個人的に好きです。できれば原著がお勧め。(荒木)
アンドリュー・チェン,大熊希美
スタートアップ関係者の誰もが知るキーワード「ネットワーク効果」について、インスタグラム・リンクトインのような数多くの事例にも触れつつ、深く掘り下げた書籍。toC事業に閉じた話かと思いきや、toB事業にも様々な示唆があります。とにかく著者の洞察が深すぎて、ほとんどのページが付箋だらけになってしまいました。(荒木)
ウィリアム・N・ソーンダイク・ジュニア
優れたCEOを定量的に特定し、それぞれの個性的な経営者がどのような方法で会社の価値を高めてきたのかが書かれている。ここで描かれている破天荒な経営者たちの姿は、「投資家の観点を持った経営者」の姿だと思います。(朝倉)
カイフー・リー(李開復),チェン・チウファン(陳楸帆)
中国におけるAIの権威が、2041年までに人工知能が世界をどう変えるのかの未来予測をSF小説風に纏めた作品。ChatGPT登場以前に書かれた本なので少々古いものの、想像力を掻き立てられ、読み物として面白いです。(荒木)
クリス・ミラー
国際政治・世界経済の構造・軍事力のバランスを形作ってきたのは、半導体テクノロジーだったというノンフィクション小説。実務書ではないため活かせる実践的知識は皆無なものの、テクノロジーが如何に世界を変え得るかという視点で、読み物として面白いので挙げました。(荒木)
ダニエル・カーネマン
行動経済学を切り拓いたノーベル経済学受賞者が、人間に内在される認知バイアスについて触れた本。バイアス自体は取り除けないため、読書による即効的な効能は無いものの、思考のクセに注意を払うことで意思決定の質を高めることができるので、日常的に判断が求められる経営者の方にとっては中長期的なROIが凄く高い書籍だと思います。(荒木)
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